爪の物理的性質

爪の物理的な性質に関して、あまり知られていない性質があることがわかってきています。
其れは、"粘弾性"という性質です。
この性質が分かってきますと、従来行われていた治療方法における大きな問題点が分かってきます。
爪を一度変形を元の形に戻しても、徐々に再び巻いてくるという性質です。

粘弾性とは、ゆっくりと、もとの形に戻ってくる性質です。
高分子多重化合物のプラスチックのような物質において見られる性質で、爪においてもそのような性質が見られます。

さらに、巻き爪を起こす爪には、元々巻きやすいケラチンの性質があるために、再発を起こしやすくなります。
ですから、その後も、時々、その形を調整しておく必要があります。

ところで、この時、爪の下側に物を入れて、爪と爪床或いは、爪溝との間に物を入れて、元の形に戻るのを防ごうとしますと、 爪は徐々に元の形に戻ってきて、物が挟まっている分だけ、下側は強く圧迫を受けることになります。
そのために、爪床は循環障害を起こして、強くいたんでしまいます。
そのために、時には、壊死を起こすこともありますし、炎症が長い間続く元となります。
又、痛みも持続することになります。
この性質が分かってきたことによって、巻き爪の治療においては、爪の下側に物を挟んで処置をしてはいけないということが分かってきています。